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2024.06.10

子どもが成長する過程では、親からの愛情を感じることが重要と考えられています。しかし親が離婚をしてしまうと、一方の親と会う機会はほとんどなくなってしまいます。離婚をしても親であることに変わりはありませんし、子どもの福祉のために面会交流を実施するケースも多いのですが、この面会交流を行う場合は事前に条件をしっかりと決めておくべきです。

ここで、事前に取り決めておくべき面会交流の条件について紹介していますので、現在離婚を検討している・離婚手続を進めているという方はぜひ参考にしてください。

面会交流のルールを定めておくことの重要性

面会交流について細かくルールを決めておかなくても離婚はできます。子どものいる夫婦が離婚時に絶対決めないといけない事項は子どもの「親権」についてであって、「面会交流のやり方」については必須とされていません。

ただ、具体的なルールを定めておかないと後々トラブルが発生する危険性が高く、裁判所で調停までしないといけなくなるリスクも高まります。

大きなトラブルにまで至らなくても、あいまいなまま面会交流を続けているとちょっとした不満がたまり元配偶者との間で関係性がさらに悪くなることもあります。その雰囲気を子どもも感じ取り、ストレスを感じてしまうことも考えられます。

そのため、極力離婚時に面会交流についてもしっかりと話し合っておくことが望ましいのです。

面会交流に関して取り決めておくべき条件

面会交流に関しては、少なくとも①頻度、②方法、③場所については話し合っておくべきです。これらの条件、その他費用などの条件についても以下で確認していきましょう。

頻度

次の事柄についてよく話し合っておく必要があります。

l  月に何回面会するのか
l  夏休みや年末年始、ゴールデンウィークなどの長期休暇中の面会はどうするのか
l  誕生日やクリスマスなどの特別な日の面会はどうするのか

これら「面会交流の頻度」に関する取り決めはとても重要です。子どもに会いたい非監護親としてはできるだけ高頻度で実施したいものですが、その場合は親権を持つ親側に負担がかかります。

特定の日時に子どもを連れていかないといけない手間がかかりますし、元配偶者に会わないといけないことに対して精神的な負担を感じることもあるでしょう。

そこで面会交流の頻度を決めるときは、親の仕事のスケジュールや互いの住居の距離、離婚原因なども考慮しましょう。仕事が忙しかったり遠方に住んでいたりすると頻繁な面会は現実的ではなくなります。
また、離婚原因によっては元配偶者や子どもに大きな負荷をかけてしまうおそれがあります。特に子どもに負担がかかってしまうときは面会交流の頻度を少なくするだけではなく、面会交流を実施しない方向で話を進める必要があるでしょう。

例えば過去に虐待をしていた事実があるのなら、面会交流を実施すべきとはいえません。そもそも面会交流は親のためではなく子どものために実施するものですので、子どもにとって利益にならないどころか不利益をもたらす面会交流を実施する必要はありません。

方法

「面会交流の実施方法」もあらかじめ決めておくべきです。例えば次のような方法が挙げられます。

l  直接面会対面して交流する
l  ビデオ通話や電話などで交流する
l  非監護親と子どもだけで面会する
l  監護親も一緒に立ち会う
l  第三者も立ち会って面会する など

必ずしも1つの手段に絞る必要はありません。原則的な方法については決めておき、その方法による面会交流ができない場合の備えとしてオンラインでの交流なども視野に入れておくと良いかもしれません。

また、遠方に住んでいて何度も会いに行くのが難しい場合は、直接会う日とオンラインで交流する日を織り交ぜてみるのも良いかもしれません。決まった方法はありませんので、双方の都合、子どもの意見なども参考にしつつ、面会交流の方法を考えていくと良いでしょう。

なお、親子仲がとても良いとはいえない場合や子どもが会いたがらない場合には第三者を立ち会わせることも検討しましょう。

場所

「面会交流の実施場所」も決めておきましょう。例えば次のような場所を指定します。

l  公園
l  ショッピングモール
l  監護親の自宅
l  非監護親の自宅 など


非監護親との関係性によっても定めるべき場所が変わってきます。例えば離婚に対して最後まで否定的であった相手方、親権について最後まで争った相手方である場合、連れ去りなどのリスクも考慮すべきです。子どもの安全を第一に考え、そのうえで親の都合よりも子どもにとって過ごしやすい場所を選ぶようにします。

また、子どもの趣味や性格、年齢なども考慮します。幼児であれば公園などの遊具がある場所で楽しく過ごせますが、外遊びが好きな子でなければ楽しく過ごせないかもしれませんし、ある程度年齢を重ねてくると公園よりショッピングモールや映画館、カフェなどの方が楽しく過ごせるようになってきます。

そこで親双方の意向に加え、子どもの意見も参考にしながら場所を決めていくと良いでしょう。

費用

「面会交流を実施するための費用」も争いが生まれることがありますので、事前によく話し合って取り決めておくことが大事です。例えば次のような費用です。

l  交通費
l  宿泊費
l  子どもの食費 など


なお、これら面会交流に伴う費用は基本的に非監護親が負担すべきものと考えられています。それぞれが支出したものに関しては支出した者が負担をするのが基本であり、必ずしも折半とする必要はありません。

ただしこれもケースバイケースです。子どもが非監護親に会いたがっていて面会交流を実施するのが子どもの福祉のためになるという前提が成り立つとき、非監護親に遠方へ来るだけの経済力がないのなら一部費用負担が認められる余地もあります。
とはいえ、いずれにしろまずは双方の合意に基づいて条件を決めていきますので、双方が納得すれば費用の負担についても自由に定めることは可能です。

その他考えておきたいポイント

その他にも、はじめに考えておきたい条件がいくつかあります。

例えば「子どもの受け渡しの方法」です。子どもがどうやって非監護親のもとに向かうのかを決めます。監護親が送っていくのか、子ども自身が向かうのか、第三者に送ってもらうのか、など細かいポイントですがしっかりと取り決めておきましょう。

「子どもの体調が悪い場合の対応」についても話し合います。体調が悪い中無理に会うのは避け、そのうえで面会交流の日程を振り替えるのかどうかを決めておくのです。

また、次の事項についても一度考えておきましょう。

l  連絡手段(親同士の連絡手段ほか、非監護親と子どもの連絡を認めるのかどうかについても話し合う)
l  プレゼントを渡す行為(プレゼントのやり取りがきっかけで揉めることもあるため話し合っておく)
l  ルール違反があったときの対応(面会交流を実施しないなど、ペナルティについても決めておく)

条件を決めるときの注意点

面会交流の条件を決めるときは、相手方の条件をそのまま受け入れるのではなく相場と比べたときの妥当性を評価すべきです。深く考えず同意してしまうことのないように注意しましょう。
また、定めた条件は書面に記しておくようにも注意します。「そんな条件は認めていない」などと後で主張されることを防ぐためです。

「上手く対応できるだろうか」と悩むこともあるかもしれませんが、そんなときは弁護士を頼ると良いです。話し合いをするときに揉めるのを回避しやすくなりますし、不利な条件を交わしてしまうリスクも下げられます。
今後条件変更等を申し入れたくなったときも弁護士を介して相手方と交渉をすることができます。その他さまざまな問題に対し、弁護士がついていると安心して取り組むことができますので、すこしでも有利な条件を求めるのであれば離婚問題・家族問題について取り扱い実績がある弁護士への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。

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